炭酸水素ナトリウムの分解の中学生向け解説ページです。
「炭酸水素ナトリウムの分解」
は中学2年生の化学で学習します。
①炭酸水素ナトリウムを分解すると何ができるか
②炭酸水素ナトリウムの分解の実験動画
③炭酸水素ナトリウムの化学式
④炭酸水素ナトリウムの分解の化学反応式
を学習したい人は
このページを読めばバッチリだよ!
急いでいる人のために、ポイントをまとめておくね!
炭酸水素ナトリウムの分解でできるもの
①炭酸ナトリウム②二酸化炭素③水
炭酸水素ナトリウムの分解の化学反応式2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
①炭酸ナトリウム②二酸化炭素③水
炭酸水素ナトリウムの分解の化学反応式2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
だね。
詳しい解説や実験動画は下へと読み進めてね☆
炭酸水素ナトリウムの分解の学習スタート!
(目次から好きなところに飛べるよ)
タップできる目次
1.炭酸水素ナトリウムの分解とは
炭酸水素ナトリウムとは、下のような白色の固体(粉)だよ!


ほうほう、なるほど。
炭酸水素ナトリウムをガスバーナーで加熱すると、
下の3つの物質に分解することができるんだ。
- 炭酸水素ナトリウム
- 二酸化炭素
- 水
それぞれ見ていこう。
①炭酸ナトリウム
炭酸水素ナトリウムを分解してできるものの1つ目。
炭酸ナトリウムから説明するね。
加熱前と加熱後を比べてみよう。
★加熱前の炭酸水素ナトリウムの写真

★加熱後の炭酸ナトリウムの写真

何か、あまり変わらないね…。
うん。見た目はどちらも白い粉で変化が無いね。
だけど性質は下のように異なるから、
しっかりと確認しておこう!
しっかりと確認しておこう!
加熱前 炭酸水素ナトリウム | 加熱後 炭酸ナトリウム | |
色 | 白色 | 白色 |
水への 溶けやすさ | 少し溶ける | よく溶ける |
アルカリ性の 強さ | 弱いアルカリ性 | 強いアルカリ性 |
水への溶けやすさ、アルカリ性の強さは、
加熱前の炭酸水素ナトリウムと、
加熱後の炭酸ナトリウムで異なるんだね!
よく確認しておこう。
ちなみに、アルカリ性の強さは、フェノールフタレイン液で調べることが多いよ!
下の写真のようになるね!

「加熱前」の炭酸水素ナトリウムと
「加熱後」の炭酸ナトリウム。
違いをしっかりと確認しておくよ!
「加熱後」の炭酸ナトリウム。
違いをしっかりと確認しておくよ!
うん。そうしてね。
では次にいこう。
②二酸化炭素
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、二酸化炭素も発生するんだ。
二酸化炭素は無色の気体だから、目で見ることができないよね?
うん。だから「石灰水」を使って発生を確かめるんだよ。
二酸化炭素が発生すると、石灰水が白くにごるからね。

このことから、炭酸水素ナトリウムを加熱分解すると、二酸化炭素が発生することが確かめられるね!
③水
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、水も発生するんだ。
だけど発生する量は少量だから、試験管が少し曇ったり、少しの水滴がついたりするくらいだね!

これが水なの?
うん。発生した液体が水かどうかを確かめるには、塩化コバルト紙を使うよ。
塩化コバルト紙は、水があると色が青→赤に変化する紙なんだ。
(色の変化の動画(8秒))
この紙を、試験管の水滴につけてみよう。
水滴につける前は下の写真。

つけた後が下の写真。

紙が赤色の変わった!
うん。つまり、炭酸水素ナトリウムを加熱すると、水ができると言えるね!
最後にもう一度まとめよう。
- 炭酸水素ナトリウム
- 二酸化炭素
- 水
の3つだね!
2.炭酸水素ナトリウムの熱分解の動画
では、ここで炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験を動画で見てみよう!
やったー!
石灰水が白くにごるところや、水が発生して試験管がくもるところに注目だよ!
おー。石灰水が白く濁って、試験管がくもったね。
うん。
二酸化炭素と水が発生したためだね。
試験管に残った粉が、炭酸ナトリウムなんだね。
そして、実験上の注意だけど、
試験管の口は必ずやや下を向けるようにしよう。

これは発生した水が、加熱部分に流れて試験管が割れるのを防ぐためなんだ。
テストにもよく出るから、必ず覚えておこう!
了解です!
3.炭酸水素ナトリウムの分解実験の化学反応式
炭酸水素ナトリウムの分解実験の化学反応式を確認しよう。
まずは、それぞれの物質の化学式を確認するよ。
①この実験に必要な化学式
炭酸水素ナトリウム
化学式はNaHCO3
モデルで表すと
だね。(モデルとは絵のことだよ。)
炭酸ナトリウム
化学式はNa2CO3
モデルで表すと

だね。
二酸化炭素
化学式はCO2
モデルで表すと

だね。
水
化学式はH2O
モデルで表すと

だね。
これらの化学式をしっかりと覚えないと、化学反応式は書けないから、しっかりと覚えようね!
②炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式
では、炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式を確認しよう。
化学反応式は
2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
だよ!
先生!書き方がわかりません!
では、1から確認していこう!
①日本語で書く。
まずは分解を日本語で書いてみよう。
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水
だね!
②化学式になおす
続いて日本語を化学式になおそう。
NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
だね。
これで完成?
いや、違うんだ。この式をモデルで見てみると、




となるね。
矢印の左側と右側で、原子(粒)の個数がすべてそろわないと、化学反応式は完成にならないんだ。
今、矢印の左側は
ナトリウム原子(
)1個

水素原子(
)1個

炭素原子(
)1個

酸素原子(
)3個

だね。
矢印の右側は
ナトリウム原子(
)2個

水素原子(
)2個

炭素原子(
)2個

酸素原子(
)6個

だね。
つまり原子の個数があっていないから、数を合わせないといけないんだ!
どうやって合わせるんだっけ?
下のピンクの□の中に係数(数字)を入れて数を合わせるんだ!

小さな赤い数字を変えてはいけないよ!
矢印の左側に数が少ないから、左側に係数をつけて数を増やそう。

このようになるね。
2NaHCO3 はNaHCO3 が2個という意味だね。
これで、もう一度原子の数を左右で比べてみよう。

→




このようになるね。
原子の個数を左右で比べると、
矢印の左側は
ナトリウム原子(
)2個

水素原子(
)2個

炭素原子(
)2個

酸素原子(
)6個

矢印の右側は
ナトリウム原子(
)2個

水素原子(
)2個

炭素原子(
)2個

酸素原子(
)6個

となり、原子の個数が左右でそろったね!
おー。すごい!
だから、炭酸水素ナトリウムの分解の化学反応式は

で完成なんだね!
2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
これで炭酸水素ナトリウムの分解の学習を終わるね!
- 炭酸水素ナトリウム
- 二酸化炭素
- 水
は必ず覚えておこうね!
他の中学2年実験解説は下のリンクを使ってね!
実験動画つきでしっかり学習できるよ!
またねー